米次期国防長官に「狂犬」マティス氏有力、元中央軍司令官

米ニュージャージー州に自らが所有するゴルフ場「トランプ・ナショナル・ゴルフ場」のクラブハウス前で写真撮影に応じる(左から)ドナルド・トランプ次期米大統領と、ジェームズ・マティス元海兵隊大将、マイク・ペンス次期副大統領(2016年11月19日撮影)。(c)AFP/Don EMMERT〔AFPBB News

 先週の本コラム「トランプ政権に“史上最強”の海軍長官が誕生か?」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48398)では、大統領選挙前から直後にかけてのトランプ陣営における安全保障関係アドバイザーたちの顔ぶれから、海軍長官にランディ・フォーブス下院議員が登用され、海軍拡張を中心とした米軍再興計画がスタートするであろうとの見通しを紹介した。

 加えて、ジェフ・セッションズ上院議員が国防長官に就任する可能性が取りざたされている状況もお伝えした。

国防戦略の舵取りをする長官職、候補者は誰か

 以上の先週の情報は、アメリカ海軍筋の情報を元にしたものであったが、それから10日ほど経過し、セッションズ氏は国防長官ではなく司法長官に就任することとなった。

 米海軍関係者は残念なことと受け止めているが、上院国防委員会のメンバーであったセッションズ上院議員が国防長官ではなく司法長官に就任というのは、トランプ次期政権の不法移民対策に関する基本的スタンスを考えると納得のいく人事と言える。というのも、トランプ陣営では不法移民対策は安全保障の一環であるとしている。よって、その責に任ずる法務長官にセッションズ上院議員を起用することは理にかなっている。トランプ陣営の不法移民対策への意気込みの表れとも考えられるのだ。

 そのセッションズ氏に代わって、国防長官にはジム・タレント前上院議員ならびにジェームズ・マティス退役海兵隊大将の名前が浮上してきている。また、国防長官と共に大統領の安全保障政策を左右する国家安全保障問題担当大統領補佐官には、陸軍を中将で退役した後、国防情報局長官を努めたマイケル・フリン氏が起用された。