米軍関係者はトランプ氏の軍事力強化策に大きな期待を寄せている。バージニア州のノーフォーク海軍基地で整列する潜水艦乗組員(出所:米海軍、photo by Chief Petty Officer Darryl I. Wood/Released)

 アメリカの「反トランプ」メディアが垂れ流す報道を受け売りし、トランプ候補の“暴言”を興味本位に取り上げていた日本のメディアにとって、トランプ大統領の誕生は「青天の霹靂」といったところであったようだ。

 しかしながら、トランプ陣営による「350隻海軍の建設」や「フィラデルフィア海軍工廠の復活」をはじめとする海軍増強策や、その他の軍事力強化策に期待を抱いていたアメリカ軍関係者やシンクタンクの研究者たちにとって、クリントン氏の敗北は青天の霹靂でもなんでもなく、まさに期待していた通りの結果であった。

 トランプ陣営が打ち出す軍事力強化策や国防政策は、88名に及ぶ現役の提督や将軍たちに公的に支持され、幅広い国防関係者たちの間でもトランプ支持が広まっていた。そうした状況を、日本の多くのメディアは把握していなかったようだ。

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トランプ次期政権の軍事力強化策

 トランプ陣営が打ち出す軍事力強化策は「350隻海軍」だけではなく、より広範囲にわたっている。

 選挙期間中にトランプ候補が直接公言した施策や、トランプ陣営の軍事アドバイザーたちが語った増強策などのうち、主だったものは以下の通りである。