「性犯罪常習者」が「堕落政治家」を下す
米大統領選挙が終わり、米国はまだ興奮冷めやらず。マスコミも政財界人もお役人も「ヒラリーで決まり」と予測していました。しかし蓋を開けて驚いた。第45代米大統領には不動産屋の億万長者のドナルド・トランプ氏がなってしまった。
トランプ氏自身、まさか、自分が勝つとは思っていなかったんでしょう。当選が決まったときのドナルド・トランプ氏(70)の表情をとらえたワンショットはそれを示しています。
「ヒラリー大統領で間違いない」と予測していた米マスコミやしたり顔のCNNの政治記者たちは、苦し紛れの言い訳に終始しています。選挙中、マスコミを敵に回してきたトランプ次期大統領もさぞかし溜飲を下げていることでしょう。
「フォーチュン」誌のコラムニスト、アラン・ムーリー氏は、今回の大統領選をこう見ています。
「Criminally corrupt politician(刑事上堕落している政治家=ヒラリー)」 vs 「Serial sex offender(性犯罪常習犯)=トランプ」
困ったのは白人の有権者の人たちです。どちらに票を入れていいのか、迷いました。
黒人は「人種差別的なトランプ」に入れるわけがありません。「レイプ犯」とか「麻薬売人」だと悪口を言われたメキシコ系らラティーノがトランプ氏に票を入れるはずもなし。
一応自分には「ピューリタン的道徳心」があると思い込んでいる白人女性(オハイオ州に住む主婦)は、筆者にこうコメントしていました。
「モデルや女優と結婚しては離婚、現夫人は旧ユーゴスラビア出身のモデル、女性を見てはセクハラ的言動を繰り返してきたトランプ氏は生理的に好きになれないのよ。女をセックスの対象としか考えていないんでしょ」
その一方で、大リーグやアメフトに熱狂する白人男性陣からは「あの程度のセクハラは男の甲斐性。誰だって思っていることだろ」(ミシガン州の中間労働者の男性)という声も聞きました。
男たちはそんなことはどうでもいいのです。むしろ雇用や賃金です。貧富の差の格差です。