仮にアップルが100ドルの利益を出し、ほかのメーカーが10ドルの赤字を出したとする。すると業界全体の利益は90ドルになる。アップルの利益はこれを上回っており、よってその利益シェアは100%を超える。

 BMOキャピタルマーケットによると、今年7~9月期は韓国LGエレクトロニクスや台湾HTC(宏達国際電子)などのメーカーがスマートフォン事業で赤字を出した。

 これと同様のリポートはこれまでにもあった。例えばカナダの投資銀行、カナコード・ジェニュイティは、昨年7~9月期におけるアップルの利益シェアが94%となり、韓国サムスン電子は11%だったと報告した。

 詳しく見ると、同四半期におけるアップルのスマートフォン事業の営業利益は177億8000万ドル、サムスンは20億8000万ドルだった。

 両社の営業利益を合わせると198億6000万ドルだが、これから他社の赤字額を差し引いた業界全体の営業利益は189億4000万ドル。これにより両社の利益シェア合計は100%を超えた。

 そして、アップルは今回出荷台数が減少したにもかかわらず、利益シェアをさらに伸ばした。「アップルは1社だけで100%を超える利益シェアを確保しており、収益性が世界で最も高いスマートフォンメーカーというその地位をさらに強化した」とフォーブスの記事は伝えている。

Androidは「難攻不落」だが「過密状態」

 前述のストラテジー・アナリティクスのリポートによると、今年7~9月は、AndroidとiOS以外のOSの合計シェアが1年前の2.3%から0.3に%縮小した。「BlackBerryとWindowsは、そのほとんどが市場から姿を消した」(ストラテジー・アナリティクスのエグセクティブディレクター)という。

 また同社は、現在のAndroidのスマートフォン市場における地位を「難攻不落」と表現している。「低価格のサービス、使い勝手の良いソフトウエアは、依然ハードウエアメーカー、通信事業者、消費者にとって魅力的」という。

 ただし、Android市場は数百ものメーカーが参入しており、過密状態。「Androidスマートフォンの市場ではごく少数のメーカーだけが利益を上げている」と同社は指摘している。