iPhone、累計販売10億台突破 アップル「史上最も成功した製品」

米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)SE」、カリフォルニア州クパチーノの本社で撮影(2016年3月21日撮影)〔AFPBB News

 米国の市場調査会社、ストラテジー・アナリティクスがこのほど公表した世界のスマートフォン市場に関するリポートによると、今年7~9月における出荷台数は3億7540万台となり、1年前から6.0%増加した。

 この伸び率は数年前のピーク時に比べると低い水準だが、この1年間の四半期伸び率としては最大だったという。

 こうした若干の回復は、低価格スマートフォンの普及が進んだアジア、アフリカ、中東などの新興国市場によって支えられた。とりわけインドと南アフリカではその傾向が顕著だったと、同社は報告している。

iPhone、3四半期連続前年割れ

 この7~9月期の出荷台数をOS(基本ソフト)別に見ると、米グーグルの「Android」が3億2860万台となり、1年前から10.3%増えた。Androidの出荷台数シェアは1年前の84.1%から87.5%に拡大し、過去最大となったという。

 これに対し、米アップルの「iOS」、つまりiPhoneの出荷台数は4550万台で、同5.2%減少。そのシェアは1年前の13.6%から12.1%に縮小した。iPhoneは中国とアフリカ市場で振るわなかったとストラテジー・アナリティクスは指摘している。

 これは、アップルが先頃決算発表で開示した販売実績と一致する。それによると、今年7~9月期におけるiPhoneの販売台数は4551万3000台となり、1年前から5%減少した。

 iPhoneの四半期販売台数の伸び率は、昨年7~9月期まで2桁台を維持していた。ところが、iPhone 6sシリーズ発売後の昨年10~12月期はわずか0.4%増と微増にとどまり、その後は同16%減、同15%減と推移し、今年7~9月で3四半期連続の前年割れとなった。

アップルの利益シェア、過去最大に

 一方で米フォーブスの11月4日付の記事を見ると、違った状況が見えてくる。

 これは、米金融サービスBMOキャピタルマーケットのリポートについて伝えている記事だが、それによるとiPhoneの今年7~9月期における業界全体に占める営業利益シェアは103.6%となり、過去最大を記録したという。

 なぜ、シェアが100%を超えたのかというと、スマートフォン業界では赤字を出しているメーカーがあるからである。その計算方法は次のようなものだ。