輸出立国・韓国の輸出に再び黄信号が点灯してしまった。2016年9月の輸出は再び前年同月比マイナスに転落した。
現代自動車のスト、サムスン電子のスマートフォンの大量リコールなどが響いた。造船、石油化学なども不振が続く。経常黒字も急減し、経済の先行きを懸念する声も強い。
やっと底を打ったかと思ったら、またマイナスになってしまった。
韓国の産業通商資源部は2016年10月1日、「9月の輸出入動向(暫定値)」を発表した。
マイナス行進に終止符を打ったが、9月は再び・・・
韓国の輸出は、主要国の景気後退などで2015年1月から前年同月比マイナスに陥っていた。19か月連続マイナスが続いたが、2016年8月に何とかプラスに転じ、景気回復への明るい材料かという楽観論も出てきた。
こんな見方に冷水を浴びせかける結果となってしまった。
9月の輸出額は409億ドル。前年同月比5.9%のマイナスとなってしまったのだ。
産業通商資源部は、いくつかの理由を挙げている。
政府の立場から最も"戦犯"として槍玉に挙げたのが、自動車輸出だった。
輸出額は24億2000万ドル。前年同月比24%減となってしまった。現代自動車、起亜自動車など完成車メーカーでストが相次ぎ、政府は、7万9000台、11億4000万ドルの「輸出機会損失」があったとみる。
さらに追い討ちをかけたのが、輸出のけん引役となるはずだった「無線通信機器」だ。24億ドルで、同27.9%減となった。