シリア北部アレッポ、政府・ロシア軍の空爆激化 市民45人死亡

シリア北部アレッポのアルムアサラート地区で、空爆の被害を受けた地域から避難する一家(2016年9月23日撮影)。(c)AFP/THAER MOHAMMED〔AFPBB News

 シリア北部の大都市アレッポで、今まさに大虐殺が進行中だ。包囲された町に暮らす25万人の人が、凄まじい空爆で殺戮されている。

 シリアでは、米露が協議して仲介した一時停戦が9月12日からスタートしていた(アサド政権による空爆は一部で継続されていた)。だがその後、同17日にシリア東部で有志連合がアサド政権軍を誤爆する事件が発生すると、同19日にアサド政権は停戦終了を一方的に宣言。すぐさま各地での無差別空爆を再開した。

 この空爆には、アサド政権の同盟軍であるロシア軍も参加している。空爆はきわめて大規模なもので、アサド政権とロシア軍が一時停戦を新たな作戦の準備に利用していたことが窺える。

支援物資の運搬車列が攻撃されて大炎上

 この一時停戦は、各地で包囲されて孤立している住民に、国連機関や援助機関が救援物資を届けることを第一の目的としていた。とくに問題となっていたのが、アサド政権に完全に包囲されている東アレッポである。そこでは25万人もの住民がアサド政権による兵糧攻めで危機的な状況に陥っていた。

 ところが、停戦中もアサド政権は救援物資の通過を認めず、多くのトラックがトルコ国境で足止めを食っていた。それでもなんとか、物資の搬入が合意され、作業が開始されようとしたその矢先、大事件が発生する。アレッポ西方の赤新月社の施設に停車中の車列が攻撃されて大炎上、スタッフ12人が殺害された。国連機関や赤新月社の人道支援物資を運ぶ車列が攻撃されるという異常行動だった。