中国、スカボロー礁にしゅんせつ船か=埋め立て準備の可能性-比

フィリピン・マニラの中国領事館前で抗議活動をするスカボロー礁を漁場とする漁師たち(2016年7月12日撮影、資料写真)。(c)AFP/TED ALJIBE 〔AFPBB News

 9月2日、フィリピン国防当局は、南シナ海のスカボロー礁周辺海域でフィリピン沿岸警備隊が中国のバージ(平底の荷船)を多数視認したことを報告した。

 フィリピンと中国、それに台湾が領有権を争っているスカボロー礁は、現在のところ中国が軍事力を背景に実効支配中である。そのため、バージがどのような作業をしているのかまでは確認していないようである。しかし、中国がいよいよスカボロー礁の人工島化に本格的に着手したことは間違いないと見られる。

 かねてよりオバマ大統領は、「中国がスカボロー礁を埋め立てて軍事基地化することは、レッドライン(最後の一線=平和的解決と軍事的解決の境界線)を越えることを意味する」と中国政府に対して強い警告を発してきた。それだけにスカボロー礁周辺での新展開に、米海軍関係者たちは高い関心を寄せている。

マークの付いた場所がスカボロー礁。スービック海軍基地はルソン島の西岸にある(Googleマップ)
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