【連載第8回】スマートフォン、SNSの普及に加え、測位技術の発展、さらにはドローンなどの新技術出現によって「位置情報ビジネス」が飛躍的に進化している。そう、世界は今「位置情報3.0」時代に突入しているのだ。 本連載では位置情報を活用したビジネスを取り囲む様々なテクノロジーの現状を大前研一氏が解説します。
位置情報ビジネスに潜むリスク
位置情報をビジネスで扱うことにはリスクもある
位置情報技術がいかに進化し、私たちの事業や暮らしに影響を与え始めているのか。ここまで位置情報ビジネスの「今」をお伝えしてきました。
目を見開くような新たな事業が生み出され、生活の利便性は増し、今後のビジネスチャンスにも期待、という希望に満ちたビジネスであることは確かである一方、ここまでお読みいただいた中で「こんなことまで可能になってしまうのか」と、多少の怖さを感じた人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで次は、位置情報が持つリスクの側面にもスポットを当て、ビジネスにしていく際にどのような点に留意し、展開させていくべきなのか、ビジネスチャンスを逃さないためのヒントを考えていきたいと思います。
「個人情報」「ロケハラ」「プライバシー」のリスクを孕む位置情報
これまでの事例でお分かりいただいたように、位置情報は人の行動と緊密な関係にあります。