あらゆる世代に負担増となる医療改革が迫ってきています(写真はイメージ)

 参議院選挙(7月10日投開票)がいよいよ今週末に迫ってきました。今回の選挙戦を見ていて残念なことがあります。それは医療改革についての議論がきわめて不十分だということです。

 現有議席が最大の自民党は、「総合政策集2016」の中で「国民が安心できる持続可能な医療の実現」を謳っています。

 具体的には、「後発医薬品の使用拡大、二重診療(過剰投与)の抑制、さらには給食給付(医療上必要なものは除く)など保険給付の対象となる療養範囲の適正化を図り、保険料負担をはじめ国民負担の増大を抑制します」とのことです。

 一方で、総合政策集には記載されていませんが、政府は方針として、年間8000億~1兆円の社会保障費自然増加分を年間3000~5000億円に大幅に抑制することを打ち出し、2015年12月には「経済・財政アクションプログラムの工程表」を完成させています。

 この工程表には、あらゆる世代にとって負担増となる具体的な患者負担増・給付抑制策が列挙されています。

 ところが、このことはほとんどマスコミに取り上げられていません。国民的議論が行われることなくこのまま投票を迎えるのは、とてももったいないことだと思います。