走行距離を教えると、同情されてしまう弊社の営業車。この先も一緒に働けるかどうか・・・。その山場を迎えたのが、年明けの車検でした。
その間、代車として弊社にやってきたのは、新車の軽自動車。初めて見るバックモニターに驚かされ、シートの座り心地の良さに惚れ惚れしました。思わず、車検をキャンセルし、この代車に買い替えてほしい、と弊社の社長にお願いしてしまったほどです。
まさか、燃費データが改ざんされた車種だったとは、その時は思いもよらず・・・。
あなたの会社の「老化度」は?
その燃費データの改ざん問題で揺れる三菱自動車。以前にもリコールを隠ぺいした前科がありました。結局、社風は変わらなかったということでしょう。
この問題を耳にしたとき、私がふと思い出したのが、『会社の老化は止まらない─未来を開くための組織不可逆論』(細谷功 著、亜紀書房 刊)。
以前に読んで、強く印象に残っていた組織論の本です。まず、そのタイトルに驚かされますが、考えてみれば当たり前のこと。「人間」は老化するのに、その「人間」の集合体である会社が老化しないはずがありません。
しかし、書店の売り場をのぞけば分かりますが、会社が老化する前提で書かれているビジネス書は、ほとんどありません。常に、いつまでも変わらない姿で永続するもの、という前提でビジネスは進められています。
著者は、さまざまな仮説を論理的に組み立てることで、その思い込みの間違いを鋭く指摘します。
例えば、若い頃に比べ、ダイエットすることがきつくなった、という方は多いことでしょう。同じように会社という組織も、歴史を重ねれば重ねるほど、増えたルールやしがらみを削ることが難しくなり、仕事のスピードは失われていきます。