「ジョブズCEOの賭けが成功した」
今回の決算は異例尽くしだったようで、米ウォールストリート・ジャーナルは、スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が珍しく決算発表に登場したと報じている。同氏は「初の売上高200億ドル超えに興奮し、つい来てしまった」と述べたという。
またウォールストリート・ジャーナルは、アップルの純利益が同日発表された米IBMの純利益(約36億ドル)を上回ったことに着目しており、「時代の転換を象徴する出来事だ」と伝えている。
アップルもIBMも、コンピュータービジネスという点で共通のルーツを持つ。しかし、アップルはスティーブ・ジョブズ氏の下、デジタルメディアプレーヤーのアイポッドから、アイフォーン、アイパッドと消費者向け機器を展開し、アップルという企業を収益マシンに変えた。
こうした施策が奏功し、今年の5月アップルの時価総額はマイクロソフトを上回った。
一方、サミュエル・パルミサーノCEOの下、2004年にパソコン部門を中国レノボ・グループ (聯想集団)に売却したIBMは、企業向けのソフトウエアやサーバー、ストレージなどのインフラを提供するサービス企業へと大きな転換を図った。
「米国のハイテク業界で今や米マイクロソフトに次ぐ規模の黒字企業になったアップルの今回の決算は、いかに現在の技術革新が消費者市場に支えられているかを物語っている。
このことは、消費者に目を向けたジョブズCEOの賭けが成功したことを意味している」と記事は伝えている。
ウォールストリート・ジャーナルによると米国の主要テクノロジー企業のこの7~9月期の純利益は、マイクロソフトの48億2000万ドル(トムソン・ロイターの予測値)に続き、アップルの43億1000万ドル、IBMの35億9000万ドル、ヒューレット・パッカード(HP)の29億7000万ドル(8~10月期/トムソン・ロイターの予測値)、インテルの29億6000万ドルの順となっている。
時価総額はアップルの2883億ドルがトップで、マイクロソフトの2234億ドル、IBMの1801億ドル、インテルの1068億ドル、HPの1016億ドル、と続いている。
