オンライン小売大手の米アマゾン・ドットコムがスマートフォン向けのアプリケーション(アプリ)の販売事業に乗り出すと米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えている。
実はこの話題、先頃米AOLが買収を発表したテクノロジー系ニュースブログのテッククランチが先に報じていたのだが、ウォールストリート・ジャーナルも独自取材を行ったようだ。
米アップルがスマートフォン「アイフォーン(iPhone)」やタブレット端末「アイパッド(iPad)」向けのアプリ配布サービス「アップストア(App Store)」を展開しているが、同紙によると、アマゾンもこれと同様のサービスを始める。
ただしアマゾンの場合、米グーグルが開発を進める基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」向けのアプリを販売する。
グーグルも「アンドロイド・マーケット」というアプリ販売/配布サービスを持っているが、そこで用意しているアプリの数は現在のところ8万本と、アップルの25万本には遠く及ばない。
アマゾンがこの分野に参入することで、この差が少しでも縮まるのではないかと開発者は期待しているという。
WSJ、アマゾンの資料を入手
ウォールストリート・ジャーナルは、アマゾンが外部開発者に渡したという資料を入手しているが、それによると、アプリが売れた場合の開発者の取り分は販売価格の70%。アマゾンが手数料として残りの30%を取る。
これはアップルやグーグルの料率と同じだ。また、アマゾンはアプリの審査を行う。この点はアップルと同じで、グーグルとは異なる。
アップルのサービスには厳しい審査があることで有名だ。しかもアプリがどのような基準で審査されているか分からないため、長期的な計画を立てたり、資金を投じたりといった事業展開が難しいと不満が出ていた。
基準が分からないままコストをかけて開発を続けなければならず、またたとえ審査に通って無事公開されたとしても、アップルの判断で突如として削除されることがある。