米国のインターネットサービス大手AOLが、同時に3社の買収を発表して話題を呼んでいる。
3社とはニュースブログの米テッククランチ、ハウツー動画共有サイトの米ファイブミニッツ・メディア、そしてネットのソフトウエアやサービスを手がける米シング・ラボだ。
AOLは買収の詳細については明らかにしていないが米欧のメディアによると同社はファイブミニッツ・メディアの買収に約6500万ドル支払った。またテッククランチの買収額は約3000万ドルになる。
収益の柱は今もネット接続サービス
AOLはこれらの買収でネットコンテンツを拡充し、広告収入を増やしたい考えだ。
「かつて多くの米国人に初めてインターネットというものを教えたAOLは、今も古いビジネスモデルからの脱却を模索している」と米ウォールストリート・ジャーナルは報じている。
ただ今回の買収は、同社にとってそれが難しいものであることを物語っていると同紙は指摘している。というのも、AOLの収益の43%はいまだインターネットのダイヤルアップ接続などの有料サービスによるものだからだ。
しかもその規模は縮小しており、今年4~6月期の売上高は26%も減っている。頼みの会員収入と広告収入はともに27%落ち込んでおり、特にインターネット接続サービスの会員数は前年から25%減少した。