先頃、ウエアラブル機器の世界市場は前年比171.6%増と、3桁の伸び率で急成長しているとの報告があったが、スマートフォン市場はこれとは対照的な状況にあるようだ。
スマホの普及率はすでに高水準
英国の市場調査会社、カンター・ワールドパネルが2月23日までにまとめたリポートによると、世界各国のスマートフォン普及率はすでに高い水準に達しており、今後世界のスマートフォン市場はかつてのような2桁成長は見込めないという。
同社の調査によると、米国におけるスマートフォンの普及率は65%に達した。これが欧州5カ国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)の平均では74%となる。また世界最大のスマートフォン市場と言われる中国では都市部に限ってだが、72%に達している。
こうした状況の中、メーカー各社が自社製品の販売を伸ばすには、2つの道しかないという。
1つは、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)を使い続けるユーザーに必要性をアピールし、スマートフォンに乗り換えてもうらう。
もう1つは、既存のスマートフォンユーザーに買い替えを促す。
買い替え周期が延びる傾向に
だが同社の分析によると、これらにはいずれも立ちはだかる問題があるという。たとえばドイツのフィーチャーフォンユーザーは79%の人が端末代に60ユーロ(約66米ドル)以上のお金をかけないという。
同国のスマートフォン購入価格は平均276ユーロ(約304米ドル)だが、フィーチャーフォンは同57ユーロ(約63米ドル)にとどまる。こうした価格差が大きな障壁になっているという。