米国の市場調査会社IDCがこのほど公表した、世界のウエアラブル機器市場に関するリポートによると、昨年10~12月におけるこれら機器の世界出荷台数は2740万台となり、前年の同じ時期から126.9%増えた。
また昨年1年間の出荷台数は7810万台となり、こちらは前年から171.6%増加した。
こうした3桁成長はウエアラブル機器市場に対するユーザーとメーカー双方の関心の高まりを示しており、とりわけフィットネストラッカーと「Apple Watch」の人気の高まりが市場成長を後押ししているという。
ウエアラブル機器は一部のマニアや、新製品をいち早く購入する人たちだけのものではなく、今後も持続可能な製品カテゴリーだとIDCのリサーチマネジャー、ラモン・ラマス氏は話している。
これらの機器はまだ一般消費者に広く行き渡っておらず、今後も様々な方面で成長の余地があるという。
世界出荷台数、フィットビットが首位
昨年10~12月におけるメーカー別出荷台数は、米フィットビット(Fitbit)が810万台が最も多く、これに米アップルが410万台で次いだ。3位は中国シャオミ(小米科技)の270万台で、このあと韓国サムスン電子の130万台、米ガーミン(Garmin)の100万台と続いた。
このうち首位のフィットビットは、多様な製品ラインアップや、世界市場への進出、企業の社員健康増進プログラムへの販促といった施策が奏功した。フィットビットは、ウエアラブル機器市場における紛れもないワールドリーダーだとIDCは指摘している。
またアップルが昨年4月発売したApple Watchシリーズも順調に販売を伸ばし、年末商戦の販促も成功したという。これによりApple Watchを含む同社の「その他事業」の売上高は1年前から62%増と、急成長した。
ただ、Apple Watchの10~12月の出荷台数は前の四半期からわずかな伸びにとどまった。今のところApple Watchは、iPhoneやiPadなどの同社製品の減速やマイナス成長を補うまでには至っていないという。