秋葉原に来ていた中国人観光客(2015年6月撮影)

 2015年末の記事(「爆買いで『日本びいき』に!こんなに変わった中国」)で、爆買いによる“日本びいき”の増加が、中国国内にも影響を与え始めているというお話を紹介しました。今回はその具体的な事例を紹介しながら、中国国内の変化をより詳しく見ていきます。

接客する店員の態度が激変!

 かつて中国の百貨店をはじめとした店員さんの態度はとても横柄でした。今でこそ、素晴らしいサービスを提供するお店が増えていますが、筆者が中国にやってきた頃は、まだ国営の百貨店やお店が多く、「店員さんを呼んでも来てくれない」「商品が並んでいるのに、売り切れだと言われる(以前はカウンターの向こうやガラスケースの中に商品があり、店員さんに取ってもらうのが普通だった)」「お釣りを投げられる」といったことは日常茶飯事でした。

 しかし、あれから15年、中国のサービスも劇的に向上しました。百貨店やショップ、レストランの店員さんの対応はとてもソフトになり、以前であれば何か問題が発生した場合にはお店側の「我々は悪くない」から会話がスタートしたものでしたが、現在では事情を説明すればお店のほうから「申し訳ございません」とコミュニケーションを取ろうとするようになりました。

 例えば、日系コンビニエンスストアでよく使われている挨拶に「欢迎常来(ホワンイン チャンライ)」というものがあります。

 中国語で「またお越しくださいませ」に対応する表現は「欢迎再次光临(ホワンイン ツァイツ クアンリン)」ですが、「欢迎常来」は「いつでも、度々、お越しください」という意味です。この表現は、中国の他のお店でも使われるようになってきています。

 表現としては、従来の「欢迎再次光临」のほうが丁寧ではありますが、長く使われている表現のため、型にはまった挨拶と感じられます。「欢迎常来」のほうが新しい表現で、新鮮で親しみを感じるということがあるようです。

 中国の人々が求めるサービスレベルも次第に高くなり、以前のような型にはまったマニュアル通りの対応では満足しなくなってきました。