ECB(欧州中央銀行)は15日に開いた今年最初の定例理事会で、主要政策金利であるレポレートを0.5%引き下げて年2%とすることを決定した。利下げは昨年10月以降、これで4カ月連続。
ITバブル崩壊後に記録したレポレートのボトムは年2%で、これがECB発足以降の最低水準でもある。昨年12月4日の理事会でECBとして過去最大の0.75%幅の利下げが決まった直後、タカ派の1人であるウェーバー独連銀総裁は、年2.0%という水準より下まで利下げを続けることは回避すべきではないかといった意見を口にしていた。
しかし、トリシェECB総裁は15日の記者会見で、「ユーロ導入後の最低水準と同率である2%が下限ということではない」とした上で、2月4日の次回定例理事会までは3週間しかないことを指摘。
ECBスタッフの最新経済予測が発表される3月の理事会が「より重要な会合になる」と述べ、2月は政策金利をいったん据え置いた上で、3月に追加利下げを実施する意向を事実上表明した。ECBのレポレートが過去最低の1%台に突入することは必至の情勢である。
米国発の世界経済「ドミノ倒し」の中で、ユーロ圏の各種景気指標はドラスティックに悪化している。