皆さま、お久しぶりです。前回書かせていただいたのが9月でしたので、2カ月ぶりとなります。岩手は紅葉も終わり、冬の訪れをすぐそこまで感じるようになってきました。東北はこれから長い冬へと入ってゆきます。寒いのは苦手です。今から春が待ち遠しいです。
さて、日本で1日に発行される書籍は平均すると200点ほどと言われています。当然ですが、すべての紙の書籍には形があり、本の“顔”たる表紙があります。
以前、『人は見た目が9割』という書籍がベストセラーになったことがありますが、専門書など一部の書籍を除けば本だって9割はいかないまでも、見た目は重要な要素の1つです。
「ジャケ買い」といった言葉があるように、表紙に惹かれて本を買ったという経験がある方も多いでしょう。
カバーへのこだわり
今回1冊目にご紹介するのは、『良いコミックデザイン』(KT.、 パイ インターナショナル)です。
本書は装丁に特徴のあるコミック作品約170点を、「美しい仕掛け・楽しい仕掛け」「特殊印刷・豪華造本」「色で魅せる」「通巻で魅せる」「構図とモチーフ」「タイトルロゴと配置」「本体表紙・見返し・扉etc」「パロディ・○○風」といった見どころ別に紹介しています。
普段は何気なくながめていたコミックのカバーですが、よくよく注意して見たり、巻数を並べてみたりすると、新しい発見があります。夜光塗料が使われていたり、ホログラム加工がしてあったり、つなげると絵になったり・・・。
1冊1000円もしないものがほとんどなのに、コミックカバーって本当に何でもありなのだなと思います。夜光塗料が使用されているなんて、今まで何度も手に取ったことがあるコミックだったのに、本書を見るまで知らなかったです。これを活かす展示方法はないものか・・・いきなり店舗の照明を落とすとか・・・ダメか(笑)。
ともあれ、本書を開いて、おもちゃ箱みたいに楽しいコミックカバーの世界を堪能してみてはいかがでしょう。きっと、自分の持っているコミックのカバーを一つひとつ見返してみたくなります。コミックカバーの楽しさが再認識できる1冊です。
細部に宿る匠の技
コミックカバーの世界を堪能した後は、実際に本を印刷している現場を見学してみましょう。