ももクロ(ももいろクローバーZ)紅白落選のニュースには驚いた。

 ももクロと言えば、ライブの観客動員数ではAKB48を上回る人気アイドルだ。今年は伝説のロックグループKISSとのコラボを実現し、青春映画『幕が上がる』の主演で報知映画賞特別賞を受賞するなど、その活躍は話題を呼び続けた。

 誰もが当確だと思っていた人気アイドルをあえて外したNHKの意図はよく分からない。しかしこの「事件」は、ももクロを「青春ロードムービー」として捉えると、とても興味深いものがある。

青春ロードムービーを実演しているももクロ

 まず、ももクロがどんなグループかをよく知らない人のために、ももクロの歴史を改めて説明しておこう。

 結成は2008年。当時は中学生中心で、最年少のメンバーはまだ小学生だった。結成後最初にやったのは、メンバーが作詞した「あの空へ向かって」の路上ライブだ。自分たちの目標を歌詞にした歌だから、心をこめて歌えたことだろう。たとえ数人しか聞いていなくても、一生懸命歌う。ももクロの原点がここにある。

 その後、初めて開いた日本青年館でのコンサートが2010年12月。そのときの席数が1200。それからわずか3年間あまりで、女性アイドルとしてはじめて国立競技場ライブ(2014年3月)を実現し、トップアイドルへと駆け上がった。

 そのももクロの魅力は、現在進行形の青春ロードムービーであることだ。つまり、友情で結ばれた仲間が努力を積み重ね、ついに勝利をつかむという王道の物語を、現在進行形のドラマとして実演していることだ。