私は1981年生まれでもうすぐ34歳を迎えるのだが、この年になってもモーニング娘。オタク(いわゆる「モーヲタ」)が辞められない。思い起こせば私がモーニング娘。のファンになったのは2000~2001年にかけての浪人時代で、当時いわゆる宅浪として予備校にも行かずに家で朝から晩まで勉強ばかりしていた。
そんな孤独な生活の中で、唯一の楽しみにしていたのが週に1度の「うたばん」という番組だった。その中でモーニング娘。は毎週笑いと元気を与えてくれる存在だった。無事に東京大学に受かり、赤門の横で辛い浪人時代にお世話になった人達の顔を思い浮かべた時、私の頭の中で浮かんだのは「両親、恩師、モーニング娘。」だった。
そんなわけで、当時絶頂期だったモーニング娘。の人気が衰えた後も「辛い時期を支えてこそ本当のファン」などと思いつつ、しぶとくファンを続けているうちに15年も経ってしまった。最近では「再ブレイク」などといわれ、人気もある程度回復しており、全盛期ですら達成できなかったシングル5作連続1位などの記録も達成し、コンサートの動員数も回復し、長い低迷期を味わったファンとしてはホッと一息ついている。
もちろんジャケットを変えただけの同一CDの複数購入と握手会・写真撮影のチケットをセットにするなどのやや強引な商法が目につくのも事実だが、それは他のアイドルグループもやっていることでもあり、ここまで売上が回復したのはファン層が拡大したからに他ならない。そこで今回は一ファンの視点からモーニング娘。が低迷期からどのように復活したのか、その要因を「経営」という観点から分析してみたい。
4期でようやく成立した継続事業体としてのモーニング娘。
まず、議論を進める前にモーニング娘。について説明したい。モーニング娘。はアイドルとして大きく3つの特徴を持っている。
(1) 一過性のプロジェクトではなく継続事業体である
(2) 定期的にメンバーが卒業・加入し入れ替わっていく
(3) リーダー制度が設けられている
このような特徴からモーニング娘。は「定期的に新メンバーが加入し、既存メンバーの卒業とともにリーダーが入れ替わって代替わりをしていく」という運営形態が取られている。