中東の難民支援などに1800億円拠出、安倍首相が国連で表明

3年前に日本経済の回復を約束して選挙に圧勝した安倍首相だが、日本はアベノミクス不況に陥っている(資料写真)〔AFPBB News

 2012年12月の総選挙で自民党の安倍総裁は「輪転機をぐるぐる回してお札を印刷すればデフレを脱却して日本経済は回復する」と主張し、選挙に圧勝した。それからまもなく3年たつが、その結果はどうなっただろうか?

 2015年7~9月期の実質GDP(国内総生産)は、前期比マイナス0.2%(年率マイナス0.8%)と、4~6月期に続いて2期連続のマイナス成長だ。GDPデフレーター(物価上昇率)はゼロなので、名目成長率(実質成長率+物価上昇率)もマイナスだ。これはもうアベノミクス不況といっていい。

GDPは時代遅れの指標

 そんな中で、安倍首相は「2020年ごろまでに名目GDP600兆円」という目標を掲げた。2014年の名目GDPは約490兆円だから、これが実現するには6年間で110兆円、つまり毎年20兆円(4%)近く名目GDPが増えないといけない。どうやったら、そんな奇蹟が起こるのだろうか?

 今月の経済財政諮問会議に提出された民間議員4人の資料によれば、「1%を上回るGDPデフレーター上昇率」と「2%程度の潜在成長率」が実現すれば、600兆円は可能らしい。

 たしかに計算上はそうなるが、上にみたように成長率はマイナスで物価上昇率はゼロだ。諮問会議に出された日銀の資料では、潜在成長率はゼロに近づいている。この民間議員の中でマクロ経済学者は伊藤元重氏(東京大学教授)だけだが、彼はどういう根拠で名目成長率が4%に急上昇すると信じているのか。

 そもそも人口が減少する日本で、国内所得×人口をあらわすGDPを目標にして経済政策を運営することが時代遅れなのだ。

 特に生産年齢人口は毎年1%以上も減っているので、他の条件が同じならGDPは1%減るのが当たり前だ。労働人口の減少を埋め合わせる労働生産性が1%上がってやっとゼロ成長である。

 潜在成長率はほぼゼロなので、名目GDPを110兆円も増やすには、毎年4%のインフレを起こすしかない。インフレを起こすだけなら簡単だ。たとえば日銀が日本に輸入される原油をすべて買い占めれば、いくらでも物価を上げることができるが、それが4%でコントロールできる保証はない。