旅先の朝は、二日酔いで始まる。
その朝はラム酔いだった。マイ・タイ、ピニャ・コラーダ、ブルー・ハワイ、洒落た名前をつけた魔性のハワイアン・カクテルはどれもこれも、悪魔のようなラムがベースで、いやな頭痛はお昼まで続いた。
ラム頭痛で判断力が鈍った私は、リゾートの島オアフで、なぜか裁判傍聴に行くことにした。市バスで空港からワイキキへ向かう途中だったというのもあるけれど、まず第一に、市バスでハワイを移動する観光客なんて見当たらないから、そもそも観光客としては風変わりな行動なのだろう。それをすべて二日酔いのせいにして、裁判所の門をくぐる。
裁判官リストの約半数が日系人?
裁判所は町中にあった。閑静な公園の隣に普通のビルが建っていて、入り口には"Welcome!"と一緒に「ようこそ!」と書かれている。