南アフリカがデュプレアの逆転トライで4強入り、ラグビーW杯

ラグビーW杯イングランド大会準々決勝、南アフリカ対ウェールズ。勝利を喜ぶ南アフリカのブライアン・ハバナ(2015年10月17日撮影)〔AFPBB News

 努力が報われず、何かを諦める。今までの人生の中で少なからずそういったご経験はおありになるのではないだろうか。

 「諦める」という言葉は「言」「帝」という華やかな文字から構成されているにもかかわらず、一般的には「断念する」といった後ろ向きな意味で用いられている。しかし、本来の「諦める」はとても前向きな意味を持つ言葉である。

 「諦める」の語源は「明らむ」(あきらむ)であると言われ、ものごとの道理をはっきり見極めたうえで、道理に合わないことを捨て去るというのが本来の意味となる。

 自分の願いがなかなか達成されないのであれば、なぜ達成できないのかその道理を明らかにし、達成のためのヒントを得てさらに努力を続けるか、あるいはその道理に納得して執着を手放し前向きに撤退するか。

勝てるフィールドで戦う

 道理を明らかにしないままに努力を続けると空回りしてなかなか前に進めない。逆に、道理を明らかにしないまま断念すると悔いが残り、愚痴がこぼれ、「自分は願いを達成できない中途半端な人間なんだ」という自己認識が形成される。

 この自己認識の形成が何よりの罪である。

 しかし、その道理を明らかにすることは容易ではない。頭の中であれこれ考えるだけでは到底道理は明らかにはならない。

 必要な情報や知識を調べることはもとより、実際に努力を続ける中で感じたことをまとめ、分析を繰り返し、周りの人たちの意見を聞いて回り、世間や業界の動向、展望にアンテナを張る。

 そして、自分の内面と向き合い、今このような状況にあることの意味を見出す。

 これらのことを徹底的にやり尽くすことで、だんだんと道理が見えてくる。正しい諦め方をした人は、そこから撤退することに明確な意味を見出し、次のステージに歩みを進めるため、新たな活躍が期待できる。

 勝てるフィールドで勝つ。

 これは孫子の兵法でも説かれている戦の鉄則である。そのためには勝てないフィールドを離れ、勝てるフィールドを見つける必要がある。