AI同士が「直接対決」 ロボットの未来について議論

議論する人工知能の「ハン」(左)と「小度」(右)。中央は人間の司会者(2017年9月8日撮影)。(c)CNS〔AFPBB News

 前回に引き続き、今回もAIに関するテーマでお話ししたい。

 AIや機械の台頭により人間の仕事が奪われるといった話は頻繁に聞くようになったが、では、どういった仕事であればAIや機械に取って替わられにくいのか。

 私は経営心理士として企業の経営を数字と心理的側面から分析して経営改善を行うコンサルティングを行っている。

 そういった経営改善の関わりの中で感じるのは、これからの時代、感情的価値の提供が人間の仕事としてクローズアップされるのではないかということである。

機能的価値と感情的価値

 人間が仕事として提供する価値には機能的価値と感情的価値とがある。

 機能的価値とは、各種作業や応対、知識の提供、指導などによってもたらされる価値である。一方、感情的価値とは、その仕事を通じて相手が得られるポジティブな感情に基づく価値である。

 この感情的価値の提供については、機能的価値の提供に比べてまだまだ人間の仕事として残る可能性がある。

 この2つの価値について税理士の仕事を例に説明したい。

 会計処理の入力や税務申告書の作成、これは税理士の仕事における機能的価値である。ただ、この機能的価値は近い将来、AIや機械に取って替わられると言われている。では税理士の仕事で言うところの感情的価値とは何か。

 ある税理士の方はお客様である社長とお会いするたびに、「何か困ったことはないですか?」と聞くようにしている。

 社長は何かしらの問題を抱えていることが多いため、経営の悩みをその税理士に話す。その税理士はとにかく共感しながら社長の話を聞く。時には社長の話に感情移入して涙ぐむこともあるという。