ラグビーW杯の1次リーグ、主役は日本代表

ラグビーW杯イングランド大会・プールB、南アフリカ対日本。立川理道(右)と勝利を喜ぶ日本の五郎丸歩(2015年9月19日撮影)〔AFPBB News

 ラグビーW杯イングランド大会で米国に勝利したものの1次リーグ敗退が決まったラグビー日本代表。しかし、ラグビーW杯で3勝を上げたことは歴史的快挙であり、そのプレーは日本のみならず多くの国のメディアから取り上げられ、世界の人に感動を与えた。

 最終戦となった米国との試合後、日本代表・五郎丸歩選手が現地英国からの中継という形でニュース番組のインタビューに答え、日本のリポーターがこう言った。

 「五郎丸選手、日本に帰ってきたらみんなのヒーローになっていて驚かれるかもしれません。ちびっこたちもみんな五郎丸選手のものまねしてます」

 その言葉を受けた五郎丸選手は、穏やかな顔で静かにこう言った。

ラグビーにヒーローはいない

 「ラグビーにはヒーローはいないと思うんでね。本当にこのチームみんながヒーローで。胸張って帰国したいと思います」

 経営コンサルタントとして様々な企業の経営を見る中で感じるのが、組織の成長には全体最適をもたらすという「One for All」の精神を個々の社員が持つことが必要だということである。

 私は人材を評価するにあたっては、2つの力を見るように勧めている。1つは個別の業務をこなす力、もう1つは全体最適をもたらす力である。

 これはスペシャリストとしての力とジェネラリストとしての力という考え方にも近いが、より現場に即した形で具体的に理解しやすいようにこういった言葉を使っている。

 個別の業務をこなす力とは、例えば以下のような力である。

 作業が早くて正確である、専門知識や経験が豊富である、コミュニケーション能力が高い、営業成績が良い、段取りが良く期限内に業務を終わらせる、論理的思考力が高い。

 一般的に「仕事ができる」という言葉は、個別の業務をこなす力が高いことを言う場合に用いられがちである。