安倍首相、習主席と会談 インドネシア

インドネシアのジャカルタで握手する安倍晋三首相(左)と中国の習近平国家主席(右、2015年4月22日撮影、資料写真)。(c)AFP/BAY ISMOYO〔AFPBB News

 筆者は初めて日本に留学したとき(1988年)から数えれば、日本在住は27年になる。生まれ育ったのは南京だが、日本での生活の中で南京出身だからといって不愉快な経験をしたことはない。

 一方、数年前にあれだけ反日を露わにした中国人の若者たちは、今、大挙して日本に観光にやって来ている。そして日本製品のボイコットを呼びかけた中国人たちが日本で日本製品を爆買いしている。彼らの言動から反日など見られない。

 近年、日中関係が悪化した背景には複雑な要因があるが、そもそも日中両民族の相性は悪くない。歴史的に見ても日本人と中国人は補完性が強いから共存してきた事実がある。

 近代になってから中国のエリートたちは欧米よりも日本に留学していた。例えば蒋介石や魯迅、郭沫若などに加えて、周恩来も一時期日本に来たことがあるといわれている。特に孫文は清王朝を倒すために日本で幅広く募金をした。

 むろん、近代の日中関係史は不幸の連続だった。それは両国の補完性を凌駕した野心的な政治家の暴挙による結果だった。