中国経済にはいろいろと不思議で不可解なことがある。
中国の経済統計はさまざまな数値が水増しされていると見られるが、中国人の生活と購買力が10年前に比べて向上しているのは確かである。海外のメディアは、以前から中国崩壊論を唱えているが、中国経済が経済危機らしい危機に陥ったことはこれまでなかった。
民主主義は社会主義に勝るのか?
社会主義体制が市場経済と結合して成功しているということなのだろうか。中国共産党の言うように、社会主義体制のほうが民主主義体制よりも優れているのだろうか。
この設問には容易に答を出せない。中国経済が種々のリスクや不確実要因を抱えていることは確かである。しかしその中で専制政治の政府は、いざとなれば素早く問題に対処することができる。
むろん、ときには政府が対処方法を間違えて、さらに大きな問題を引き起こすこともある。しかし、例えば福島の原発事故に対処する日本政府の迷走ぶりを見れば、民主主義が社会主義に勝るとは言えないはずである。中国であれば、福島原発事故のような問題は電力会社に任せることはせず、軍隊を投入して事態の収拾を図るはずだ。