ベンチャーキャピタルは、よく“金も出すが、口も出す”と言われ、このような投資手法は“ハンズオン”型投資と呼ばれます。
ベンチャーキャピタルは出資者と言うより経営パートナー
ベンチャー企業側にとって、多くの場合は、財務、事業開発、マーケティングなどの専門領域で十分な経験を持った人材層が厚いとは言えず、ベンチャーキャピタルの経営サポートは渡りに船なのです。
ベンチャーキャピタルは、資金リソース的にも経営リソース的にも、ベンチャー企業にとって、なくてはならない頼もしいパートナーなのです。
また、ベンチャーキャピタル以外にも、開発されている技術が本業にシナジー効果をもたらしたり、新規事業参入のレバレッジになるケースなどには、大企業を中心とした事業会社がベンチャー企業にリスクマネーを提供する場合があります。
彼らは、ベンチャーキャピタルなどの金融投資家に対して、戦略投資家と呼ばれます。
そして、ベンチャー企業がベンチャーキャピタルや事業会社からパイロットフェーズ、デモンストレーションフェーズに必要な資金を調達した後、最後の商業化フェーズに入った段階で、ようやく登場するのが銀行です。
リスクが低減した後には銀行が参加
前にも述べましたが、商業規模のエネルギー設備の建設コストは、数百億円単位、時には、それ以上になることが珍しくありません。
その資金のすべてを出資者だけで賄うことは大抵の場合は無理ですので、出資者からの出資金と銀行からの融資で建設資金を捻出するのが一般的です。
では、なぜこの時点で銀行が融資できるかと言うと、パイロットフェーズとデモンストレーションフェーズでの検証作業によって、技術・オペレーションリスクが低減され、当技術から将来キャッシュが生み出される可能性が極めて高まったからです。
この場合、銀行は、この将来キャッシュフローを担保に、プロジェクトファイナンスでお金を貸し付けることになります。