米IDCがこのほど公表したスマートフォン市場に関する最新のリポートによると、今年の世界市場における年間出荷台数は14億3650万台となり、昨年に比べ10.4%増加する見通しだ。
IDCは5月に公表した先のリポートで、今年の出荷台数が前年比で11.3%増加すると報告していたが、今回これを下方修正した。
中国の成長率、わずか1.2%に
中国市場の成長が、北米や西欧と同様の成熟パターンに移行しつつあることがその要因で、今年の世界市場は顕著な減速があると同社は予測している。
昨年の実績を見ると、スマートフォンの世界出荷台数に占める中国市場の比率は32.3%だった。中国は世界最大のスマートフォン市場であり、その重要性は今後もこれまでと変わらないという。
だが同国の今年の出荷台数伸び率はわずか1.2%にとどまる見通しだ。この前年比伸び率は昨年の19.7%と比較すると著しく低い。中国の世界市場に占める比率は2019年には23.1%にまで低下し、今後はインドなどの成長国が台頭するとIDCは見ている。
IDCでスマートフォン市場の調査を担当するライアン・リース氏によると、インドは今後最も成長の可能性がある市場。同国はかつての中国のように大きな注目を集めているという。
またスマートフォンはこれまで中国やベトナムで製造されてきたが、今後は製造拠点がインドに移っていく可能性があり、メーカー各社の動向が興味深いとしている。