かつて企業のオフィスへの人の出入りは、今では想像がつかないほど自由だった(写真はイメージ)

 あらゆる組織にセキュリティ対策が求められる時代である。日本年金機構の個人情報流出問題に象徴されるように、セキュリティ対策の甘さは大きな社会問題にも発展し、批判を浴びることになる。

 セキュリティというと、このようにコンピュータ関連のイメージが強い。だが、セキュリティ強化は何もコンピュータ関連に限ったものではない。企業の多くは社内への出入り、部屋への入退出を管理している。

 そうしたセキュリティの強化は、一部の業種に著しい営業力の低下をもたらした。しかし近年、「新たな営業手法」が生まれてきている。

かつて盛んに行われていた「職域セールス」

 今やオフィス街で、サラリーマンが入退室のためのカードを首からぶら下げている光景は、見慣れた当たり前の光景となった。しかし少し前までは、企業への出入りのチェックは比較的緩やかだった。毎日、ほぼ決まった時間にヤクルトレディーが入室し、社員が商品を購入する姿が見られた。だが、現在ではこのような光景を見かけることは少なくなった。