ワンバックが有終の美、ロイド「彼女にキャプテンマークを巻いてほしかった」

女子サッカーW杯カナダ大会・決勝、米国対日本。表彰式でチームメートのアレックス・モーガン、ローレン・ホリデー、ウィットニー・エンゲンと喜びを分かち合う米国のアビー・ワンバック(2015年7月5日)〔AFPBB News

 自分の仕事を任せられる部下を育てる。そして、今の自分の仕事は部下に任せ、自分はさらなる大きな仕事にチャレンジする。このサイクルを繰り返し、どんどん組織を成長させていく。

 優秀なリーダーはこういう状況を創り出し、自分が発揮できるパフォーマンスにレバレッジをかけていく。そのレバレッジの度合いが組織の業績となって表れる。

 これまで多くの経営者や管理職の方の話を聞いてきて、優秀な人材が育つ組織のリーダーに共通することがあると感じている。

 それは「仕事を回すために部下を成長させる」という意識ではなく、「部下の成長のために仕事がある」といった感覚を持っているということである。

 そういったリーダーは部下の成長に人一倍関心を持ち、部下の成長そのものを我がことのように喜ぶ。もちろんビジネスとして組織を運営していく以上、組織の業績を上げることは命題として据えなければならない。

業績より部下の成長を願うリーダー

 しかし、業績を上げることに執着しているリーダーよりも、人を育てることに熱意を注ぎ、人の成長そのものに喜びを感じるリーダーの方が、結果として業績が上がっているように感じる。

 前者は業務を効率的に進め、組織のパフォーマンスを上げたいという理由から部下の成長を願う。

 一方、後者は組織のパフォーマンスを上げたいという気持ちもあるが、それ以上に部下の成長そのものを自らの喜びとして味わうために部下の成長を願う。

 リーダーは組織の運営という視点で物事を考えるが、部下は組織の一構成員としてではなく、1人の人間として関わってもらいたいという気持ちを持っている。自分の成長を我がことのように喜んでくれる存在はそう多くはない。

 そのため、そういった上司は部下にとってかけがえのない存在となり、強い信頼感を覚えるとともに、伸び伸びと成長していくための心理的な土壌を形成することができる。