AKB48選抜総選挙、大島優子がセンター奪還

人気アイドルグループAKB48の総選挙。写真は2012年のもの〔AFPBB News

 人は他者との比較によって心を動かされ、一喜一憂し、強いモチベーションを感じる。他者との比較によって優越感を覚えることもあれば、劣等感や嫉妬を覚えることもある。

 自らの価値観に沿った生き方をしようとしても、他者との優劣によって心をかき乱される。

 比較には他者との比較以外にもう1つの比較がある。それは過去の自分との比較である。今の自分は過去の自分よりも成長したか、収入は上がったか、地位は上がったか、より良い環境を手に入れたかといった具合に比較する。

 過去の自分との比較によっても、人は心を動かされ、一喜一憂し、そして強いモチベーションを感じる。比較の心理は人間の心に大きな影響をもたらす強いエネルギーを持っている。

 先日、比較の心理が人間の心に与える影響の大きさを痛感させられる番組を見た。AKB48の総選挙である。

圧巻は選挙後のスピーチ

 この総選挙はAKBグループメンバーから総選挙に立候補した272人に対してファンが投票することにより、1位から80位までの順位がつけられる。

 チームメンバー内で順位という序列が明確につけられ、他者との比較により心が大きく動かされる。

 また、2009年から毎年のように開催されており、前回の自分の順位とも比較が生じることから、さらに心が揺さぶられる。

 順位が発表された後は、1人ずつスピーチしていくのだが、順位の結果に対する感情を必死でこらえながら、なんとか理性を保ち、笑顔で話す姿はけなげであり、圧巻だった。

 特に印象に残ったのは、前回よりも得票数を伸ばしながらも順位を下げたメンバーのスピーチだった。