2001年の9.11同時多発テロ、そしてそれをきっかけとして開始された米国の対テロ戦争──21世紀初頭の国際政治では、国家が、非国家主体であるテロ組織にどのように対峙するかが大きなトピックとなった。
最近は、米軍のイラクやアフガニスタンからの撤退など米国の中東における軍事的プレゼンスが縮小するにつれ、国際政治の焦点が中国の台頭や米中関係などへと移りつつある。
それに伴って、世界的なテロ情勢は21世紀初頭よりも落ち着いてきたと思う人がいるかも知れない。しかし、現実は全く逆である。
イスラム国の影響がそのまま2014年のテロ統計に
今年も米国の国務省がテロ年次報告書を発表した。近年になり、国務省はメリーランド大学のテロリズム研究機関「START」のデータを引用するようになった。
まず、2014年に世界中で発生したテロ事件数、テロ犠牲者数の推移を見てみよう。