2日連続で米無人機攻撃、アルカイダ戦闘員9人殺害 イエメン

イエメンの首都サヌア東方の砂漠地帯で、無人機攻撃を受けた車両。アルカイダの戦闘員3人が死亡した(2015年1月26日撮影、資料写真)。(c)AFP〔AFPBB News

 イエメンを拠点とする「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)は、6月15日に公表した動画の中で、同組織のトップであるナシル・ウハイシ(Nasser al-Wuhayshi)が死亡したと発表した。イエメン南東部ハドラマウト州の州都マカラで、米軍の無人偵察機による攻撃を受けたのが死因である。米当局もウハイシの死亡を確認しており、同組織にとって大きなダメージになるだろうとしている。

 では、そもそもAQAPとは一体どのような組織なのか?

 日本国内では、アルカイダや、昨今国際社会で懸念が一層深まるISIL(いわゆるイスラム国)などについては日々のニュースなどで話題になっているが、それ以外の組織や情勢について理解している人は少ない。

 しかしこのAQAPは、ISILが台頭するまで、近年の国際的なテロ情勢を事実上主導してきた組織だと言える。以下では、AQAPの成り立ちや活動の内容、そして今回の指導者の殺害が何を意味するのかについて見ていきたい。