中国、大株主や企業役員の持ち株売却を6か月禁止

中国・浙江省杭州で、株価の電光掲示板を見つめる投資家ら(2015年7月8日撮影、資料写真)。(c)AFP〔AFPBB News

 中国の経済は政策が主導する。危機的状況に陥る前に矢継ぎ早に経済政策を打つ。その迅速さはあっぱれだが、必ずしもいい結果を導くとは限らない。最近では、株式市場における政府の救済策がその是非を問われている。

「上に政策あれば下に対策あり」――。

 中国社会を端的に表す一句である。強引に政策を打ち出す政府に対し、民は面従腹背しながら抜け道を探し出す。中国ではそんな歴史が綿々と続いている。

 中国で「政策」は絶対的なものだ。国家の介入はごく普通に行われている。誰もがそれを当たり前だと思っている。だが、さすがに今回の株価下支えのための救済策は混乱を招いた。

株式市場は外資の攻撃を受けた?

 株価が暴落した7月8日、人民日報系の「環球時報」は、間髪入れずに社説を発表した。題して「国家隊は必ず勝つ」。「今回の暴落は国家経済やマクロ経済の危機が引き起こしたのではない」「市場救済の是非を問うのはナンセンス」「国家隊の実力は十分備わっている」などと述べ、挙句は「いざとなれば全国の8000万人の党員がそれぞれ1株を買って買い支える」などという冗談とも本気ともつかない解決策を提示した。

「国家隊」とは、政府の資金のことだ。社会保障基金や「央企」と呼ばれる大型国有企業の企業年金などを指す。国家隊を総動員するから慌てずに落ち着け、というわけだ。こうしたアナウンスが「政府に対する信用崩壊」を食い止めた可能性は高い。