また、最近注目を集めて開発されているのが、藻類を原料としたバイオ燃料です。藻類は発育サイクルが他の植物に比べて早く生産性が高いことから、敷地面積当たりの燃料生産量が大幅にアップすることが期待されています。

代替ガソリンの本命、バイオブタノール

 米エクソンモービルは、藻類から年間1エーカー(4047平方メートル)当たり2000ガロン(1ガロンは約3.8リットル)以上のバイオ燃料の生産が可能としており、他のバイオマスに比べて、その生産性・収穫率の高さが際立っています。

 また、藻類を含むセルロース系バイオマスからバイオブタノールを作る技術も開発されています。

 バイオブタノールはエネルギー密度が85%あり、バイオエタノールより約30%高く、より高い燃焼効率を得られると同時に、既存のパイプラインなどの供給設備をそのまま使えるといった利点があります*14

 これらの特性から、バイオブタノールは将来のガソリン代替の本命との見方もあります。

 米国では、これら第2世代を含むバイオ燃料促進のため、2007年に米国議会によって2022年までに360億ガロンのバイオ燃料導入という目標が策定されました。

あと10年でバイオ燃料を3倍に増やせるのか

 この目標を達成する具体的ルールを定めたのが Environmental Protection Agency(EPA)の Renewable Fuel Standard(RFS 2)プログラムです。

 RFS 2プログラムは、リファイナリーなど燃料供給者に一定量のバイオ燃料供給を各年ベースで義務づけており、2022年までに360億ガロンのバイオ燃料のうちセルロース系バイオ燃料の供給量を160億ガロンにするとしています。

 2010年2月、バラク・オバマ大統領がRFS 2プログラムを発表した際に強調したのは、この目標を達成することによって、1億3800万トンのCO2削減効果に加え、グリーンジョブの創造と3億2800万バレルの石油消費削減による海外原油依存(約60%の原油輸入、うち中東原油は約20%)の抑制効果でした。

 (このクリーンエネルギー導入の国家的な目標・効果については、日本の戦略の章で詳細に分析します)