・韓国は朝鮮民族の正統性を主張しようにも、民族の純粋性を説くには欧米や日本の影響が多すぎる。政治の面で北朝鮮に対抗しようとしても、韓国の民主主義は人的コネや汚職が多すぎる。だから韓国の朝鮮民族としての正統性は北朝鮮に劣っている。そのため、日本を悪と位置づけ、叩き続けることが代替の方法となる。
要するに、韓国の正統性の主張は本来は北朝鮮に対して向けられるべきなのに、日本叩きがその安易な代替方法となっているというのだ。
日本に矛先が向かうのは、ひとえに朝鮮民族としての正統性が北朝鮮にはかなわないからである。本来、北朝鮮は韓国となお戦争状態にあり、韓国の消滅を正面から唱える敵である。だが韓国は、その敵よりも、日本をさらに激しい怒りや憎しみの対象として非難し続けるのだ。
韓国の目的は「反日を続ける」こと
これが韓国の反日の本質であるならば、慰安婦問題などの歴史案件でいくら日本が譲歩してみても、韓国側の満足が得られるはずがない。
韓国の反日は何かの実現を目指しているわけではなく、反日を続けること自体に意義があるからだ。韓国の反日は外交の交渉で解決するような明確な理屈のある内容ではないのである。
ケリー教授のこの分析に従えば、韓国の反日というのは、勝手な都合で日本を北朝鮮の代わりにののしり、非難の標的する全国民的な傾向ということになる。
ケリー教授と同じことを日本の政治家や学者が述べたら大変な事態となるだろう。ケリー教授の分析は、あくまでも第三国として客観的な立場にある米国側の見解である。そして現在、米国では、こうした分析への賛同が明らかに増えているのだ。隠されていた日韓関係の重要な要素が米国でもやっと認知されるようになった、ということだろうか。