5月21日に「ドル高で悲鳴を上げ始めた米国経済」を掲載した。この時点では1ドル=121円程度の水準だったが、記事掲載後もトレンドに変化はなく、6月5日には125円後半まで円安・ドル高が進んだ。
円安・ドル高を牽制する発言が相次ぐ
ただ、6月に入ると円安・ドル高を牽制するような発言が相次いだ。
6月1日には、元財務官で、いわゆる「通貨マフィア」の異名をとった榊原英資・青山学院大学教授が次のように発言した。
「(ドル・円の水準)が130円程度の円安になれば、米国も気にしてくる。日本にとっても望ましくない『悪い円安』になり、日本経済にネガティブな要因にもなりかねない。(米国は)過度のドル高は望まない。これ以上は望ましくないという水準がどこかにあるはずだ。(ドル・円の水準が130円を超えてきた場合)協調介入はしないまでも、協調した行動が可能となる。口先介入はできる。米国と協調して口先介入すると結構効くかもしれない」
6月4日には原田泰・日銀審議員が、「いろんな産業が競争力を取り戻しているところを見ると、過度の円高修正はかなりいいところまできたのかもしれない」「米国が実際に利上げをしても、必ずしもさらに円安になることはないのではないか」と述べている。