魅力的な話し方がしてみたい、コミュニケーションがなかなか苦手だ、プレゼンテーションや面接で人の注意を惹きつける話がしたい・・・。
そんなふうに思うことはありませんか?
ときおり学生から相談を受けることがありますが、私の答えはいつもシンプルです。
「聴能力を使おう!」
面接以前の段階で、すぐにアガッてしまう学生がいます。あるいは演奏前に緊張している若いミュージシャンなども同じですが、「話すこと」など、自分がしなければならないことで頭が一杯になってしまっている。
そうではない、まずその場で相手のことを「よく聴く」ことから始めるのが大事なのです。
「話半分」そのまた半分
よく「あいつの言うことは<話半分に聞け>」などと言われる場合があります。これは、大げさにものを言う人の話を真に受けてはいけない、ということでしょう。
これとは全く違うのですが、話術の名手が自分自身の喋り割く時間は能力の4分の1程度、という「基本」があります。
例えば落語の名人を考えてみましょう。1人で高座に上がっているのだから、ずっと喋り続けているか、と言うと、必ずしもそうではない。実は「間」があります。単に息を継ぐだけの間もあるでしょうが、それでは座がシラケてしまいますね。
爆笑王などと異名を取るような名人の高座は、ほとんど半分の時間が、実は客席の笑い声で埋まっています。相手を惹きつけ、決して話題から置いて行かないように注意しながら、名人は半分の時間、相手のリアクションを見ている。