近年の加速する技術革新、IT化、機械化は目覚ましさを通り越し、恐ろしさすら感じる。

 人工知能、ビッグデータ、認知システムなどの組み合わせにより、人間と同等あるいは人間以上の能力を持った機械・ロボットが安価で市場に導入され始めている。

 機械・ロボットが人間の雇用を奪うことが予想されるこれからの時代、機械・ロボットでは扱えない領域で人間としての付加価値を発揮することが求められる。

 その領域とは心や感情を扱う領域である。

 機械化がますます加速していく今後の時代、心や感情について学ぶ意義はさらに大きくなるだろう。

 筆者は感情の理解を深める経営を提唱し、様々な経営の現場にうかがっているが、現場に行くたびに経営者や管理職が人間の感情について理解を深めることの意義の大きさを感じている。

 今回も前回の『腹が立つことにも怒らない術を心得ていますか?』に引き続き、感情に関する理解を深めていただくための話をしたい。

人間は「意味づけ」から逃れられない

 今回のテーマは「意味づけ」である。

 人生においては様々な出来事が起きる。そして、そのたびに様々な感情が生じる。良い出来事が起きれば、嬉しい、楽しい、といったポジティブな感情が生じ、悪い出来事が起きれば、怒り、悲しみといったネガティブな感情が生じる。