再び悲しい事件が北アフリカで起きた。
3月18日昼、チュニジアの国立博物館で発生した襲撃事件で3人の日本人観光客が犠牲となり、さらに3人の同胞が負傷された。
この言語道断の蛮行により犠牲となった方々に衷心より哀悼の意を表するとともに、負傷者の1日も早い回復を心からお祈りしたい。
それにしても、なぜ、こともあろうに、あのチュニジアでこんな事件が起きてしまったのだろう。
アラブの春の優等生
以前もどこかで書いたことだが、筆者は「アラブの春」などという現象を全く信じない。
そもそも、アラブの春とはアラブ世界に住んだことのない欧米人の発想だ。1回住めば分かることだが、一部の例外を除き、アラブ諸国の「春」は実に儚く短い。さらに、エジプトであればその時期には必ず砂嵐がやって来る。
だからというわけではないが、2011年初頭から筆者は一貫してアラブの「民主化」そのものに懐疑的だった。
その唯一の例外がチュニジアだ。最近チュニスはご無沙汰だが、振り返ってみれば、外務省1年生時代に最初に担当した国がチュニジアである。