コンビニで買ったライター燃料で被害者の服を燃やしたという公衆便所は、容疑者たちの生活圏のど真ん中、もっと言うなら、現場から帰宅する途中の公園にあることになります。

ボヤのあった公園のトイレ

 ここでは詳細を避けますが「現場から 家に帰る」ほぼ直線経路の真ん中にある公園で服を燃やしたような形になっている。

 少しでも頭の働く犯人なら、わざわざそんな目と鼻の先で「証拠隠滅」を図ろうなどとは思わないでしょう。

 そもそもボヤなど出してしまえば、証拠隠滅どころか、わざわざ騒ぎを起こしているようなもので、かえって目だってしまう。

 遺体の遺棄と同様、わざわざ発覚しやすいことをしているように見える、その気持ち悪さ、正確には「気持ち悪いほどの幼稚さ」を、実際に現場を歩いて強く感じざるを得ませんでした。

都会に開いたエアポケット

大師公園。すべての現場が徒歩の圏内

 先ほどのボヤの公園近く、藤崎一丁目交差点から国道132号線を東に進むと交差点が「川中島」「大師公園」と続き、すぐ北 には被害者もよく遊んでいたという大師公園が見えます。

 またそのまま132号線を「台町」「四谷上町」と進んで斜め北東に折れると600メートルほどで川崎市立大師中学校、被害者の母校に行き当たります。

 子供の頃からよく知っている遊び場、学校、河川敷の不良のたまり場、そして寝起きする、すべてがたかだか半径1キロほどの半円に収まってしまう生活圏であり得ない事件は起きている。