台湾KGI証券のアナリスト、ミン・チー・クオ氏によると、米アップルのタブレット端末「iPad」の今年の年間出荷台数は、昨年実績を大きく下回る見通し。
右肩上がりのiPad、初めて減少に転じる
同氏は、すでに出荷台数の大幅な減少が始まっていると指摘しており、今年1~3月期は前の四半期に比べ52.7%減の1010万台になると予測している。
またその後の4~6月期は同30~40%減の700万~800万台となり、今年上半期は1年前に比べ40%減の約1800万台に、年間では同30%減の4400万~4500万台になると見ている。
アップルがiPadの初代モデルを発売したのは2010年4月。iPadの販売はその後順調に伸び、翌年の年間台数は4050万台、その翌年は6574万台、そして2013年は7421万台を記録した。
だが、昨年はすべての四半期で前年実績を下回り、年間販売台数が6336万台と、初めて減少に転じた。昨年の前年比減少率は14.6%減だったが、クオ氏の予測では今年の減少率はその2倍になるという。
「大型iPadの効果、年内は限定的」
同氏がその理由の1つとして挙げているのは、革新的なアプリケーションの不足。また、iPadについては12.9インチの大型モデルが発売されるとの観測が出ているが、クオ氏によると、その発売時期が予想よりも遅れる見通し。これが同氏が示す2つ目の理由だ。
結果として、今年のiPadの全出荷台数にもたらす大型iPadの効果は限定的になると、同氏は指摘している。
クオ氏は、サプライチェーン(部品、部材の供給網)に詳しく、アップル製品の発売時期や販売実績を的中させてきたことで知られるアナリスト。