OECD加盟国で最高水準の喫煙率、初年度に8%引き下げる効果?

韓国国保、たばこ3社を提訴 医療費負担で賠償請求

韓国・ソウルの路上でたばこを手にして歩く男性〔AFPBB News〕

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 韓国政府は、「国民の健康のため喫煙者比率を引き下げるための措置」という理由を前面に打ち出す。

 文亨杓保健福祉部長官は9月11日の会見で「韓国のたばこ価格は先進国で最も安い水準だ。たばこ価格の引き上げで2015年には喫煙者比率を8ポイント引き下げる効果がある」と説明した。

 韓国の19歳以上の男性喫煙率は43.7%。韓国の保健福祉部によると、これは経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最高水準だという。ちなみに、米国21%、日本34%、英国22%よりもかなり高い水準だ。

 文亨杓保健福祉部長官は「2020年までに29%にまで引き下げる」という目標を掲げた。

 このために、たばこのパッケージに警告写真を載せることや、コンビニエンスストアなどでのたばこの広告の禁止など「値上げ以外の喫煙率引き下げ措置」も併せて発表した。

 値上げ幅が大きかったことについても、だから、「小幅な値上げでは喫煙率を引き下げる効果が小さい」という説明になる。ちょっとした値上げならば、一度禁煙してもすぐに吸い始めるということらしい。また、大幅値上げによって、高校生など若年層の喫煙に歯止めをかけたいという狙いもあるようだ。

 たばこ価格の引き上げが喫煙率低下にどこまで効果があるのかは、どの国でも議論になる話だ。

野党からは早速「庶民狙い撃ち」の批判

 「低所得層を狙い撃ちにした増税」という反発を招きやすく、だから韓国でも10年間、価格が据え置かれた。

 今回の値上げについてももちろん批判は多い。野党はさっそく「庶民狙い撃ち」と批判した。

 「喫煙率引き下げという政府の方針に反対する声は少ないが、税収増という別の狙いが見え見えで、国会審議も難航する可能性がある」。韓国紙デスクもこう話す。