公益財団法人農業・環境・健康研究所理事で医師の佐久間哲也氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(7月20日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。

 「医療と農業と地域の連携」をテーマに、取り組みを続ける佐久間氏が現在の活動を紹介したほか、日本の新しい医療のあり方について提言。また、中山氏がウクライナ東部で起きたマレーシア旅客機墜落事故について語った。

環境や食を人の健康にもっと生かしたい

中山 今回は、農業・環境・健康研究所理事の佐久間(哲也)先生にお話を伺います。私は先日、佐久間先生が静岡県伊豆の国市で院長を務めておられる「エムオーエー奥熱海クリニック 」を訪れる機会があり、実際に現場を見学させていただきました。非常にユニークな取り組みをしているなと感じたのですが、まずはその内容についてご紹介いただけますか。

佐久間 当クリニックでは「医療と農業と地域の連携」をテーマに、さまざまな活動を行っています。例えば、約30年間営んでいる有機農業の実験圃場では、農薬・化学肥料を使わずに育てる畜産や農業を手がけており、そうした環境や食を人間の健康に生かすための取り組みを敷地内のクリニックで進めています。

 全国各地からも患者さんに来ていただいていますが、特に地域医療との連携を大切にし、メンタルヘルスやアレルギー疾患に悩む地元の方々を対象に治療を行っています。

ホウレンソウ抽出物に食欲抑制効果、肥満予防に期待

食と健康、食の安全への関心が高まっている〔AFPBB News

中山 佐久間先生のクリニックでは「いのち(医・農・地)の輝きを守る」を提唱しているそうですね。

佐久間 従来、医学や農学や環境学という学問はバラバラに存在していましたが、これを連携させながら持続可能な社会をつくろうと考えたのがきっかけです。「いのち」をつなぎ、バトンタッチをして日本人、ひいては人類の健康を高めていくこと。そのためには、環境や食がとても大きな役割を果たすはずなんです。

 例えば、腸と脳には深い関係があると言われますが、腸内細菌が免疫や精神状態に影響を及ぼすことが分かりつつあります。今後は、日本の伝統的な食文化なども少しずつ世界に打って出るべきだと考えています。

「医者の不養生」を経験し、改めて考えた医療のあり方

中山 佐久間先生が現在のクリニックで活動を始めたきっかけは何ですか。

佐久間 私の父親は横浜で小児科を開業していますが、医師であることと自分が健康であることは別なんです。医師として健康になる方法を知っているなら、家族も皆元気でいられるはずなのに、現実には健康を害してしまう場合がある。