マット安川 今回はスタジオに南丘喜八郎さんを迎え、取材中のアメリカからの中継も交えて、集団的自衛権の閣議決定ほか、国防や外交問題についてお話しいただきました。

安倍氏の公約に「集団的自衛権行使容認」はなかった

南丘 喜八郎(みなみおか・きはちろう)氏
月刊日本 主幹。(撮影:前田せいめい)

南丘 政治家の良し悪しは結果で判断されなければなりません。安倍(晋三・総理)さんはすでに結果を出しているかのように言う人もいますが、それは違います。本当の結果が出るのはすべてこれからなんです。

 中でも集団的自衛権の行使容認はそう。これは簡単に言うと、他国が戦争を起こしたとき、その戦争に加わるということです。アメリカが例えば中東で戦争を始めたときに、いろんな理由をつけて日本さん手伝ってくれと言われたら、従わざるをえない状況になりました。

 日本国憲法第9条には陸海空の三軍を持たない、交戦権もないと書いてあります。しかし、仮に戦争になったときに本当に国を守ろうとするなら、日本だけでは無理です。同盟関係が必要だと思います。

 ただ、そのためにはきちっと憲法を改正して国軍を持つということをしないといけない。今のままでは宣戦布告もしないまま、自国の青年たちをむざむざと戦場で殺すことになります。

 安倍さんは昨年、一昨年の選挙で憲法改正を訴えました。しかしその後、彼がやろうとしたのは96条の改正でした。

 衆参両院でそれぞれ3分の2以上の賛成というハードルをクリアするのが難しいから、過半数にしようとした。様々な世論工作をしたあげくこれに失敗し、それならと集団的自衛権行使に向かったわけです。

 一昨年の選挙の際、集団的自衛権行使に踏み切ると公約したなら話は別ですが、彼はそれをやっていません。堂々と憲法改正を目指すのが筋です。

日本の近代化の裏で苦しんだ中韓国民の気持ちを受け止めよ

 いわゆる従軍慰安婦の問題に軍が関与した証拠が見つからないのは、第2次世界大戦が終わる直前、関係者が軍事機密に関する大事な書類をほとんど焼いてしまったからです。軍は確かに関与したのであって、問題はどのように関与したかです。

 政府は河野談話の検証にあたって相当細かい分析をしており、その報告書について河野(洋平・元衆議院議長)さんは、一言も足すべきことはない、削るべきこともないと発言しています。