米国景気が錐もみ飛行を始めている。今週は連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長が7月21日水曜日に、「米国経済は非常に不安定な状態が続いている」として、追加の景気対策の必要性に触れたことから、市場に動揺が広がった。
米国の個人消費に息切れ、逆に企業は最高の決算相次ぐ
実際、金融危機後の大規模な景気対策を受けて回復基調にあった個人消費が、経済対策の期限が切れて再び落ち込み始めている。
とりわけ住宅市場が弱い。商務省が20日に発表した住宅着工件数は、前年同期比で5.8%も落ち込んだ。
一方、中古住宅の販売は、全米不動産業者協会(National Association of Realtors=NAR)が7月22日に発表した米6月の中古住宅販売は先月比で5.1%落ち込み、新築市場同様に息切れ模様だ。
ただし、前年同月比では9.8%増の高い水準を保っているため、米国景気が一方的に落ち込み始めたとは言えないようだ。
逆に、企業の方は相次いで好決算を発表している。JBpressの記事を振り返っても非常に力強い企業の姿が浮き彫りになっている。
とりわけIT産業が強い。4~6月期の四半期決算では、アナリストたちの予測を大幅に覆す企業が続出している。
例えばこの記事(「アップルの4~6月期、売上高と純利益過去最高に」)。