今回から第9章に入ります。9章のテーマは、「男の恋愛偏差値の傾向と対策」です。第8章までに、進化生物学、進化心理学、経済学、政治学、社会学などの知識を用いて、恋愛に関する3つの市場である恋愛市場、結婚市場、浮気市場の特性について解説しました。

男の恋愛偏差値はどうすれば上がるのか

 この3つの市場で登場する男女の身体構造を通じて、私たちホモサピエンスがどういう動物なのか、恋愛や結婚に何を求めているのかについても説明しました。

 同時に、科学的根拠のある様々な仮説も提示するとともに、言葉による求愛が不可避である以上、実践的なデートに誘う方法についても詳しく述べました。

 第7章で解説した、くどきのテクニックはすべて科学的に根拠があるもので、これ以上の最強テクニックはありません。この連載は科学的根拠のある唯一のモテ術だと言えるでしょう。

 新たに付け加えるべきものはないのですが、恋愛や結婚の場面において成功していただくために、実践編の最後として、恋愛偏差値の上げ方を伝授したいと思います。

 特に第2章の投資原資の話、第3章の恋愛均衡説において、考え方として、魅力度、モテ度という用語を使いました。

恋愛の「基礎点」「偏差値」「努力目標」

いったい自分は何点なの?
自分の資産価値はどうやったら分かるの?

 と思ったはずです。

 点数に絶対的な客観的評価というものは存在しません。一物一価の原則が当てはまらない分野ですので、人からの評価は十人十色かもしれません。しかし最大公約数的な資質というものは存在するはずです。

 大まかでも、ある程度客観視できる数値がないと、努力目標が設定できないのも事実です。自分のことは鏡を見ても、相手からどう評価されているのかまでは分からないものですからね。

 というわけで最終章では、とりあえずの客観的評価、恋愛における「基礎点」「恋愛偏差値」、さらには「努力目標」について解説してみたいと思います。