(2010年7月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
日本の多くの機関投資家にとって、同国政府が発行する国債はポートフォリオの「コメ」だ。日本の主食である国産のコメと同じように、日本国債の圧倒的大部分は国内で消化されている。だが今年は、日本国債の購入が投資家の胃袋を十分に満たせなかった。
日本国債に飽き足らず外債をせっせと購入
投資家は、現在利回りが極めて低い日本国債の購入を補完するために海外の債券を買っており、財務省の統計によれば、外債購入ペースは2003年以来の速さになっている。
財務省の直近のデータによると、日本人投資家は7月9日までの9週間で外債を7兆6980億円買い越した。アナリストたちは、こうした買いの大部分は、米国債をはじめとした「安定した」海外債券市場に向かったと見ている。
外債購入の背後にいる投資家は、日本の大手銀行、証券会社、生命保険会社のほか、投資信託を通じて外債を買っている個人だ。
今年は既に安全への逃避が起きていた。ユーロ圏のソブリン債に対する懸念が渦巻く中で、日本の投資資金は欧州の債券から離れ、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドの債券を含むドル建て債券に流れ込んでいた。リスク回避傾向はここ数週間で一段と高まった。米国の景気回復の力強さに対する懸念が増したためだ。
弱含みの経済指標は、米連邦準備理事会(FRB)が近く金融政策を引き締めるとの見方を後退させることになった。株式市場が売りに見舞われる一方、債券市場は高騰した。
日本人投資家には慣れっこのシナリオ
多くの日本人投資家にとって、これは慣れ親しんだシナリオである。日本は自国の金融危機以降長引いている国内成長の停滞と、10年間ほぼ一貫して続くデフレから脱却しようと悪戦苦闘している。指標となる10年物国債の利回りは、過去10年間で、2.008%を超えたことがない。
「日本には低金利を恐れる人はいない」。日本国債のセールス担当者はこう話す。「1990年代の日本では『高値で買え』というのがモットーで、債券相場が高騰するたびに、買い進めていった。債券を買う理由、つまり、経済のリスクや規制、デレバレッジング(負債の圧縮)、失政のリスクといったものはすべて、邦銀のポートフォリオマネジャーやリスク管理担当者にとって非常に馴染みのあるテーマだ」
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